梅干しの種類と選び方|梅農家が教える3つの軸
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梅干しは、種類が多い。
白干し、しそ、かつお、はちみつ、減塩。棚に並ぶと、どれも同じ「梅干し」に見える。だから多くの人が、なんとなくで選んで、なんとなくで終わる。
私たちは、紀州みなべで梅を育てている農家です。畑から加工まで、自分たちの手でやっている。その立場から、はっきり言います。
梅干し選びは、3つの軸で決まります。 種類の名前を覚える必要はありません。この3つを押さえれば、自分に合う一粒に、まっすぐたどり着けます。
梅干しを選ぶ「3つの軸」
たくさんの種類を、たった3つの問いに置き換えます。
- 塩分はどうか(しょっぱさと、酸っぱさと、日持ち)
- 味付けはどうか(梅そのままか、しそ・かつお・はちみつで仕立てるか)
- 梅そのものはどうか(どんな品種を、どこで、誰が作ったか)
多くの記事は、種類を並べて終わります。でも本当に選べるようになるのは、この3つの軸を理解したときです。順番に見ていきます。
軸1:塩分 ―― しょっぱさだけの話ではない
梅干しで最初に分かれるのが、塩分です。
塩分は「しょっぱさ」の話だと思われがちですが、農家の目線では違います。塩分が変わると、酸味・後味・日持ちまで、まるごと変わります。
- 塩分が高い(昔ながらの白干し):酸味と塩気がしっかり立つ。年月をかけて塩がなじみ、味に深みが出る。常温で長く保てる。
- 塩分が低い(減塩・はちみつ系):やわらかく、食べやすい。そのぶん日持ちは短く、冷蔵での管理が前提になる。
勝股農園では、塩分の幅を意図的に持たせています。
- 白干し … 塩分19%(昔ながらの、いちばん梅らしい一粒)
- しそ梅 … 塩分15%
- かつお梅・はちみつ梅 … 塩分8%
- 減塩はちみつ梅 … 塩分3%(いちばん食べやすい入口)
「減塩=体にいい、高塩分=悪い」と単純化されがちですが、それも少し違います。塩分の高い白干しは、少量で満足でき、保存もきく。用途が違うだけです。どちらが上ではなく、暮らしのどこで食べるかで選ぶ。 ここが農家の考え方です。
勝股農園の梅干しは、味付けごとに塩分が違います。理由は単純で、味付けが変われば、いちばんおいしい塩分も変わるからです。
この数字にたどり着くまでに、工場長は累計2万粒以上の梅干しを食べてきました。いまも1日3粒以上、毎日食べ続けています。塩分を下げすぎると、酵母が出て味が崩れる。上げすぎると、塩が立って食べづらい。19%も、8%も、3%も、そのぎりぎりの一点を狙った数字です。
軸2:味付け ―― 「梅そのまま」か「仕立てる」か
次の軸が、味付けです。ここで種類の名前がぐっと増えますが、大きくは2つに分かれます。
そのまま漬ける ―― 白干し(無添加)
梅と塩と、しそだけ、あるいは梅と塩だけ。余計なものを足さない、いちばん素朴な梅干しです。酸味と塩気がまっすぐで、ごはんにいちばん合う。梅干し本来の味を知りたいなら、まずここから。
「無添加」という言葉は市場にあふれていますが、その中身は一様ではありません。私たちの白干しとしそ梅は、添加物を使いません。梅と塩と、しそ。それだけです。
味を仕立てる ―― しそ・かつお・はちみつ
素の梅干しに、ひと手間を重ねたものです。
- しそ梅:赤しそで漬け込み、香りと鮮やかな色をまとわせた、王道の味。
- かつお梅:かつおの旨みを効かせた、ごはんにもお酒にも合う一粒。
- はちみつ梅:はちみつのまろやかさで、酸味と塩気をやさしく包んだ、食べやすい味。
味付けにも、近道はしていません。
しそは、いくつものもみしそを試して、ようやくひとつの品種にたどり着きました。いまは、みなべの耕作放棄地を畑に戻して、自社で栽培しています。しそ梅に使うのは、その自社のしそ100%。かつお梅にも、同じしそを使っています。
はちみつ梅は、試行錯誤を重ねて、熊本と和歌山のはちみつをブレンドしています。
軸3:梅そのもの ―― ここが、いちばん語られない
塩分と味付けは、どの梅干しにもある軸です。でも本当に味を決めるのは、その手前――どんな梅を使っているかです。ここは、農家しか語れないところです。
勝股農園が使うのは、自社農園で育てた紀州南高梅だけです。日本一の梅産地、和歌山県みなべ町。南高梅は皮が薄く、果肉が肉厚。だから漬け上がりが、ふっくらとろける。
私たちは、土づくりから収穫、漬け込み、天日干しまで、すべての工程を自分たちの手でやっています。
そして、梅は一粒一粒、みんな違います。産地や農家によって、固さも状態もまるで違う。だから私たちは、原料を一粒ずつ見て、その梅にいちばん合う方法で仕上げています。同じ規格に流し込むのではなく、一粒に向き合う。栽培から加工まで自分たちでやっている農家だから、できることです。
目的別・かんたん選び方
3つの軸がわかったら、あとは「どこで食べるか」で決めるだけです。
| こんな人・場面に | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| まず梅干しらしい一粒を知りたい | 白干し(19%) | 梅本来の酸味と塩気。基準になる味 |
| 毎日の食卓に、食べやすく | 減塩はちみつ(3%)/はちみつ(8%) | やさしい味で続けやすい |
| ごはんのお供・王道が好き | しそ梅(15%) | 香りと彩り、間違いのない定番 |
| お酒のあて・旨みがほしい | かつお梅(8%) | かつおの旨みでお酒に合う |
| 健康を意識して選びたい | ※効能は別記事で | 塩分と量の付き合い方を先に |
※梅干しの健康面(クエン酸・一日何個までか等)は、別の記事で詳しくまとめる予定です。
迷ったら、食べ比べてみる
ここまで読んでも、最後は「食べてみないとわからない」。それが正直なところです。
同じ畑の南高梅から、味わいの違う一粒を。だから私たちは、まず食べ比べてみることをおすすめしています。塩分の違い、味付けの違いを、実際に食卓で並べてみる。そうすれば、自分と家族に合う一粒が、はっきりわかります。
それができるのが、7種から選べる定期便です。白干し、しそ、かつお、はちみつ、減塩はちみつ、紅しょうが、キムチ。毎月、好きな種類を選び直せます。今月は白干し、来月ははちみつ。そうやって一巡すれば、それがそのまま食べ比べになります。
- 7種選べる定期便(月3,280円) … お届けサイクルは1〜3ヶ月ごとで変更OK、回数のしばりなし、いつでも解約OK
農家から、ひとこと
梅干しは、選び方を知れば、もっとおいしくなります。
私たちは、みなべの畑で梅を育て、自分たちの手で漬けています。派手なことは言えません。ただ、一粒の後ろに、土と、手間ひまと、時間があることだけは、知っておいてほしい。それが、農家が作る本物の梅干しです。
あなたの食卓に合う一粒が、この中にあります。今日も工場長は、自分の漬けた梅干しを3粒、食べています。